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かくれキリシタンの起源 信仰と信者の実相

中園成生

弦書房

¥ 4320(税込)

現在も継承される、かくれキリシタン信仰の全容を明らかにする。「信仰を変容させた信者」という従来のイメージをくつがえし、長年の「かくれキリシタン」論争に終止符を打つ。
 20年におよぶ多角的な研究から見えてきたのは、400年前の宣教師たちが日本人の精神と暮らしを理解して創出した「日本人のキリスト教」と、それを禁教の時代にも守り続けるために信者が選択した「信仰並存」という形だった。250年にわたる禁教時代を越え、400年間変わらず継承された信仰の実像に迫る。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」世界文化遺産登録まであと1歩のところまで来ました。本書は3月に刊行されたばかり、およそ500ページある大著ということもあり4,320円(税込)とお高いですが、おすすめです。ところで聞きなれない「潜伏キリシタン」とは簡単に言うと、江戸幕府の禁教令布告によるキリスト教弾圧に対し、仏教徒を装うなどして密かに信仰を守りつづけた信者たちのこと。一方「カクレキリシタン」とは、禁教令撤廃後カトリック教会の信仰に復帰した信者と区別する呼称です。長い長い潜伏期間に、日本の民俗信仰や仏教などと深く結びついていくなどして変容を遂げた信仰形態を、禁教令が撤廃された後も継承しカトリック教会に戻らなかった信者たちが「カクレキリシタン」とされ、呼び分けられているのですが、まさにその、カクレキリシタンは純粋なキリスト教信仰を「変えてしまった」というイメージに一石を投じるのが本書というわけです。